美容師が店販品に求めるのは「利益」よりも「お客様との信頼関係」|サロン専売ヘアケア品についてのアンケート

美容室において、サロン専売品のヘアケア商品(シャンプーやトリートメントなど)の販売、いわゆる「店販(てんぱん)」は、サロンの売上を構成する要素の一つです。しかし、数多くのメーカーから多種多様なブランドが展開されている中で、美容師はどのような基準で商品を選び、店舗への導入を決めているのでしょうか。
今回は、スタイリスト(美容師)経験2年以上の男女238名を対象に、サロン専売ヘアケアブランドの認知度や取扱状況、ブランドを知ったきっかけ、店販品に期待する効果などについてアンケートを実施しました。
POINT
- サロン専売ヘアケアブランドの認知度はアリミノが68%で最も高く、次にナプラ N.が65%で高い。
- 認知のきっかけは「ディーラー/メーカーの営業」が高いものの、「同業者の口コミ」や「SNS」が高いブランドも見られた。
- 店販品を取り扱う際に期待する効果は、「お客様の悩みに合わせた提案をすることで、お客様からの信頼度を高めること」が58%で最も高い。
【調査概要】
調査手法:インターネットリサーチ
調査対象:弊社保有モニター
スタイリスト(美容師)経験2年以上の男女(全国)
調査期間:2026年2月20日~3月2日
有効回収数:238名
調査主体:弊社 (株式会社マーケティング・リサーチ・サービス)
分析手法:自由記述の分析にはAIツールを使用
目次
サロンヘアケアブランドの認知度
設問1
サロンヘアケアブランドで知っているものをお答えください。(複数回答)

サロンヘアケアブランドの認知度について質問したところ、「アリミノ」が68%で最も高く、次に「ナプラ N.」が65%となりました。3番目は「オージュア」と「ミルボン」で、ともに45%という結果でした。
ブランドごとの認知のきっかけ
設問2
各ブランドの商品を知ったきっかけをお答えください。(複数回答)

認知度上位のブランドについて、その商品を知ったきっかけを質問しました。
アリミノ~プロマスターの5ブランドにおいては、「ディーラーの営業」が1位、次いで「メーカーの営業」と「同業者の口コミ」がTOP3を占めました。
一方トキオインカラミは、「インフルエンサーや有名人のSNS」が3位に入っている点が特徴となっています。
直近1年間に店販品として取り扱ったブランド
設問3
直近1年以内に店販品として実際に取り扱ったブランドをすべてお答えください。(複数回答)

勤めている美容室で、直近1年間に店販品として取り扱ったブランドを質問したところ、「ナプラ N.」が33%で最も高く、次に「アリミノ」が25%となり、認知度の結果から1位と2位が入れ替わっていました。
店舗で採用した理由
設問4
「直近1年以内に取り扱った」と回答されたブランドについて、そのブランドの商品(店販品)を採用する決め手となった理由を教えてください。

直近1年間に店販品として採用した上位2ブランドのナプラ N.とアリミノについて、店舗で採用した理由を比較してみました。
両ブランドともに「商品の効果・性能に魅力を感じたから」と「実際に商品を使用して効果を実感したから」が上位でしたが、ナプラ N.については「SNSで話題性が高く、新規集客に繋がると感じたから」が29%で3位となっていました。
店販品を取り扱う際に期待する効果
設問5
お勤めのヘアサロンでヘアケア品を取り扱う際に期待する効果をお答えください。(複数回答)

ヘアサロンでヘアケア品を取り扱う際に期待する効果について質問したところ、「お客さんの悩みに合わせた提案をすることで、信頼度を高めること」が58%と過半数を超える結果となりました。
2番目は「サロンの施術とホームケアの連動によるリピート率向上」で20%でした。
一方で、「高単価商品販売による利益率の向上」を期待する声は4%にとどまりました。
まとめ
今回の調査から、サロン専売品の認知や導入においては、アリミノやナプラ N.といった特定ブランドの強さが確認されました。
認知のきっかけとしては全体的には「ディーラー/メーカーの営業」が主流であるものの、「同業者の口コミ」や「インフルエンサー等のSNS」が上位に入るブランドもありました。
また、ナプラ N.の店舗での採用理由は「SNSでの話題性」が上位に挙げられるなど、情報収集チャネルが多様化していることが伺えます。
店販品を取り扱う際に期待する効果については、利益率以上に「顧客との信頼関係を高められる商品かどうか」が、美容師にとって重要な判断基準になっていることが明らかになりました。
これらの結果を踏まえると、メーカーが自社製品をサロンに導入してもらうためには、次の2点が鍵となります。1つは、お客様との信頼関係の構築につながる商品提案や、サロンワークをサポートする体制の構築です。そしてもう1つは、そのサポート体制や商品の信頼性を、適切なチャネルで戦略的に情報発信していくことだと考えられます。
番外編:AI(NotebookLM)によるブランドイメージ回答分析
オージュア、トキオインカラミ、オラプレックス、バイカルテの4ブランドについて、認知経路とブランドイメージの回答をNotebookLMで解析し、それぞれの特徴をまとめたインフォグラフィックを作成しました。

AIの分析によると、各ブランドのイメージは以下の通りでした。
- オージュア(Aujua):豊富なラインナップによるパーソナライズ・品質の高さ
- トキオインカラミ(TOKIO INKARAMI):メディア露出、トリートメントの有名ブランド
- オラプレックス(OLAPLEX):ブリーチなどを伴うハイダメージ毛のケア商品
- バイカルテ(BYKARTE):SNSでのトレンド感と仕上がりの質感の良さ
AIの活用により、各ブランドの大まかな特徴を素早く把握することができました。出力内容の再確認は必要ですが、詳細な分析へ進む前段階のツールとしてAI活用は有効です。
(digmar編集部)