マーケティング・リサーチ協会セミナー「著者が語るシリーズ2025」のマーケティング書籍3冊をご紹介

JMRA本紹介

弊社(株式会社マーケティング・リサーチ・サービス)が所属している業界団体「日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)」では、協会が推薦するマーケティング書籍について、著者自身が解説するセミナー「著者が語るシリーズ」を毎年開催しています。
今年は7月18日から全3回の開催が予定されています。

セミナーの詳細はこちら
著者が語るシリーズ2025|多様なるマーケティング・リサーチの新潮流に触れる

今回は、セミナーで取り上げられるマーケティング書籍3冊をご紹介します。
いずれもマーケティングを学ぶ上で非常に参考になる本なので、ぜひ読んでみてください。

戦略ごっこ―マーケティング以前の問題

戦略ごっこ

著者:芹澤 連 氏
株式会社コレクシア コンサルティング事業部 執行役員
日本エビデンスベーストマーケティング研究機構 研究主幹
マーケティングサイエンティストとして、数学/統計学などの理系アプローチと、 心理学/文化人類学などの文系アプローチに幅広く精通。
著書に『顧客体験マーケティング』(インプレス)、『“未”顧客理解:なぜ「買ってくれる人=顧客」しか見ないのか?』(日経BP)など。

本書は、通説となっているマーケティング理論に疑問を投げかけ、実証研究やデータに基づき「本当に効果のある施策」を明らかにする書籍です。

差別化戦略に対する誤解、新規顧客と既存顧客のどちらを重視すべきか、ブランドの成長に必要な「浸透率」など、感覚や思い込みに頼らない科学的なマーケティングの重要性を提唱しています。

トレードマーケティング 売場で勝つための4つの実践

トレードマーケティング

著者:井本 悠樹 氏
株式会社キャプロ代表取締役社長
日本におけるトレードマーケティングの第一人者の一人。P&Gジャパンで約9年、ジョンソン・エンド・ジョンソンで約1年間、トレードマーケターとして従事。2019年4月よりリテールテック企業の株式会社フェズに加入し、リテールメディアを活用した統合ソリューションのプランニング部長を務める。また、自らコンサル会社「キャプロ」を創業し、大手メーカー・D2Cブランドの流通戦略構築を支援している。

トレードマーケティングとは、主に小売業や卸売業の「バイヤー」や、店舗の買い物客「ショッパー」を対象にしたマーケティング活動です。

本書では、バイヤーが商品を「売りたい」と感じたり、「売れる」と判断したりといった心理的な判断軸「バイヤーインサイト」に注目し、それを起点にしたマーケティング戦略を解説しています。

このトレードマーケティングは、これまで体系的に解説された書籍がほとんど無かったと著者は述べており、メーカーのマーケティングや営業担当者にとって必読の教科書となっています。

分析者のための行動経済学入門

行動経済学入門

著者:黒川 博文 氏
関西学院大学経済学部 准教授
専門分野は、行動経済学と実験経済学。特に労働時間・健康行動などへの応用に取り組んでいる。行動経済学会奨励賞、兵庫県立大学研究活動特別賞など受賞。著書に『今日から使える行動経済学(共著)』、翻訳書に『傾向スコア(共著)』があり、ビジネス誌や政策メディアへの寄稿も多数。

本書は、データ分析者を主な読者に想定しながら、行動経済学の主要理論を体系的に解説する実践書です。プロスペクト理論や現在バイアス、社会的選好、限定合理性など人間の意思決定に関する理論を、豊富な実験例やビジネス/社会応用事例を交えて解説しています。

行動経済学は、人間らしい非合理的な意識決定のクセを分析する学問で、マーケティングと密接に関わっています。本書を通して行動経済学を学ぶことで、「なぜその商品を選択したか」といった消費者心理の理解が深まります。

(digmar編集部)