マーケティングリサーチコラム

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2021年4月28日

めくるめく行事食の世界【後編】

~「行事食」アンケート結果発表 ~
前回の記事から数か月、この間だけでも、節分・バレンタインデー・ひな祭りなど沢山の行事がありました。 みなさん何のイベントで、どんなものを食べているのでしょうか。

このたびはホームページをご覧頂いている方にもご協力いただき、アンケートを実施しました!
(ご協力頂いた皆さま、ありがとうございます!)

はたして、「多くの消費者から採用されている行事食には、なにか成功の法則があるのではないか」、
という仮説を裏付けることはできたのか、結果を見ていきます。

 

先輩!便宜サンプルによるアンケートなので、年齢や性別に若干偏りがありますが、ざっと集計してみたので一緒に見てもらえますか?

 

結果報告待ってたよ!見せて見せて~。

 

 


※本調査は、統計的に調査対象を設定したわけではなく、今回このサイトでご協力いただいた回答を
集計したものです。サンプル数も限られているため、世の中を代表するとはいえないかもしれませんが参考までにご紹介いたします。

  ※MRS調べ(2021 3月 20代~70代男女に対しインターネット調査で実施)

●「行事食」喫食状況

 

なんと9割近くの人が、毎年必ず、年末年始に行事食を食べているという結果でした。残りの1割も昔は食べていた人が殆どです。

クリスマスを抑えて、お正月大みそかがツートップだね!なんだかんだいっても、日本人にとって「年の変わり目」が最も重要なタイミングなんだと、わかるね。

 

 

 

「毎年必ず食べる/最近食べはじめた/昔は必ず食べていた」人にはどんなものを食べたかも聞いているのですが、おせちお雑煮と回答した人が9割を超えていました。大晦日からお正月にかけては実家に帰って家族と過ごす人も多いし、家族が集まると同じ食卓を囲むから自ずと比率も高まっているのかも。

“自分は作らないけど、誰かが作るから食べる“というパターンね。タイミング的に「伝承」もされやすいと。

 

 

 

次に多いのがクリスマスのチキンやケーキ。その次は節分の福豆恵方巻。予想通り、恵方巻がランキング上位に食い込んでいます。
すごい浸透率の高さ!コンビニチェーンのマーケティングの成功事例ですね。

この5番目に多い「家族の行事」って何のこと?半数以上の人がおこなっているみたいだけど。

 

 

 

こちらは自由回答で内容を記入してもらったのですが、誕生日や試験に合格したときなどのお祝い事が多く上がっていました。
ケーキやお寿司、いわゆるごちそうを食べて祝福するというものです。

なるほど。そういうのも大事なイベントよね。

 

 


グラフを見て気になるのは・・・
「昔食べていたのに食べられなくなっている行事食」がけっこうあること。それに認知の高い「ハロウィン」や「七夕」などのタイミングにこれといった行事食が定着していなさそうなことなど。まだまだマーケットを開拓するチャンスはありそうね。

 

 

 

 

●「行事食」喫食理由

 

行事食を食べている/食べていた理由については、「昔からの習慣だから/こどものころから食べているから」と答えている人が8割以上、次に「季節を感じることができるから/旬のものだから」が7割を超えています。

小さいころに家族と過ごした楽しい思い出、味覚とエピソードがリンクすると、記憶に残るのだろうね。
伝統や継承も意識されているね。

 

 

 

はい。他にも自由回答をあげて頂いていますが、ほぼ全員が家族にまつわるエピソードでした。「普段料理をしないおばあちゃんがお彼岸だけはおはぎを作ってくれるのが楽しみだった」、「忙しくてバラバラの家族がそろう特別な日だった」など、子供の頃の楽しい思い出を懐かしむ方が多かったです。

「学校の給食で子供が〇〇を食べてきた」と聞いたことがあるけど、もし給食で出してくれなかったら、行事食はどんどん忘れられちゃうね。

 

 

 

 ●「行事食」喫食中止理由

 

食べなくなった理由をみても、「結婚、こどもができるなど家族の変化があったから」が最も多く、家族とのつながりに変化があると食生活も変化するみたいです

せっかく親から行事食を食べる習慣を受け継いでいるのに、生活の変化でそれが失われるのは残念だね。
行事に合わせてメニューを組んだり、手間暇かけて作るというのは、時間にも心にも余裕が必要なのかもね。
今食べるべき商品として目の前に出てこないと、家族の食卓にも乗らないのね

 

 

 

 

3割以上の人が「準備するのが手間・面倒」とも言ってますからね。恵方巻を探し求めてあちこちのコンビニやスーパーを駆けずり回った人の話を聞いた時は「そこまでエネルギーを使うなら作ってもいいのでは」と思いましたが、作るのにはハードルが高いってことでしょうね。

それに、お店にあっても、「食べるべきものとしてアピール力」がなかったら、なんのことかわからないよね。

 

 

 

「食べるといいことが起きる気がする」「お店で紹介されている」など、強い動機がなくても、なんとなく食べている人もいますけど、知らずに無視している人もいそうですね。

店頭の刺激って、日本の伝統食の継承にも重要だね。
さて、この結果を見てどんな分野のどんな商材に商機があるか、ブレストでもしてみようか。

 

 

 

うーん。私は、好きな食べ物ランキングに常に上位に登場するお寿司にはもっともっと商機があるような気がします。
バレンタインに自分用のチョコやコスメを買う女子とか、花金だからとちょっといいところに飲みに行くサラリーマンがいますよね。
行事がお寿司を食べる理由になれば、セルフギフトとしてお寿司を食べたい人には渡りに船ではないかと。

某フライドチキンが“今日○○にしない?”って問いかけてくるCMは、「そうか、特別な日にしか食べてもらいにくいのかな」と現状を逆読みしてしまったのだけど、コミュニケーションとしてはうまいよね。

 

 

 

 

なんでもない日でも「CMもああいってるし」と、買いに行ける。
魅力的な提案には乗ってしまいがちな消費者心理もついてきて、私はまんまと釣られています。笑

 

「マーケティングは一流ホストだ、日常を特別に変えてくれる。(ぺ〇ぱ風)」なんちゃって。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

 

この記事を書いた人
K.S.
マーケティング・リサーチ・サービス 社員 入社1年目

 

 

 

 

#行事食

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