粉末タイプの洗濯用洗剤を使う人はどのような人?|洗濯用洗剤についてのアンケート

洗濯用洗剤のアンケート

洗濯用洗剤は現在、様々な形状や機能を持った商品が数多く市場で展開されています。製品の特徴も、単に洗濯物の汚れを落とす効果だけではなく、香りを付ける効果や除菌消臭効果、手軽さなど多岐にわたっており、様々なニーズに対応した商品を選択できるようになっています。

今回は、洗濯用洗剤の形状(液体や粉末など)に注目し、市場と消費者の実態について調査してみました。

洗濯用洗剤の形状ごとの特徴

洗濯機 で利用される洗濯用洗剤は、主に 「液体タイプ」と「粉末タイプ」、「ジェルボールタイプ」が 展開されています。

各形状の特徴として、以下のようなことが挙げられます。

  • 液体タイプ:水に溶けやすい 。商品の種類も多くなっている。
  • 粉末タイプ:洗浄力が高い。ただし、水に溶けにくく衣服に残ってしまうことがある
  • ジェルボールタイプ:計量や詰め替えが不要で、液だれもしないため手間なく使える

参考:洗濯洗剤について整理しよう<衣服の生活習慣病を防ぐ④>|東京都クリーニング生活衛生同業組合

このように、洗濯用洗剤は形状によってそれぞれメリットが存在します。

粉末タイプと液体タイプの市場シェアの変遷

次に、洗濯用洗剤の形状の変遷について、製品販売金額をもとに見ていきます。

日本では、1950年代ごろまで粉石鹼を使用して洗濯をするのが主流でしたが、一般家庭の洗濯機の普及などの背景により、粉末タイプの洗濯用洗剤が主流へと変化していきました。

日本石鹼洗剤工業会によると、1963年に粉末タイプの洗濯用洗剤の生産量が、粉末石鹸の生産量を上回ったとのことです。1

そこから長らく粉末タイプが主流の時代が続きますが、次第に液体タイプがシェアを獲得していくようになります。

販売金額

日本石鹼洗剤工業会の「洗浄剤等の年間製品販売統計」を見ると、2003年の粉末タイプの販売金額は約1500億円、液体洗剤は約250億円となっていますが、2011年には液体タイプの販売金額が粉末タイプを追い越しています。そして2024年になると粉末タイプが約210億円、液体タイプが約1800億円となっており、現在は圧倒的に液体タイプが主流であることが分かります。

洗濯用洗剤の形状や購入重視点などについてのアンケート

先述の通り、現在は液体タイプが洗濯用洗剤の主流の形状となっています。しかし、粉末タイプも完全に無くなったわけではなく、現在もある程度使用されています。

現在主流の形状ではない 粉末タイプを使用しているのは、どのような人なのでしょうか。
また、粉末タイプを使っていない人も、「洗浄力が高い」といった粉末タイプの特徴を認識しているのでしょうか。

そこで、20代~50代の女性565名に対して、現在使っている洗濯用洗剤の形状や、購入重視点などについてアンケートを実施しました。

【調査概要】
調査手法:インターネットリサーチ
調査対象:20~69歳の女性(インターネットモニター)
調査期間:2025年6月9日~6月10日
有効回収数:565名
調査主体:弊社(株式会社マーケティング・リサーチ・サービス)

自宅で洗濯をする頻度

設問1

あなたは普段、自宅でどのくらいの頻度で洗濯をしていますか。自分自身で洗濯をする頻度をお答えください。

洗濯頻度

自宅で洗濯をする頻度について質問したところ、「週に7回以上」と回答した割合は35%でした。

自宅の洗濯機の種類

設問2

あなたの自宅の洗濯機をお答えください。

洗濯機の種類

自宅の洗濯機の種類については、「縦型洗濯機」が79%で最も高くなっていました。次に「ドラム式洗濯機が16%という結果でした。

洗濯用洗剤 現在使用タイプ

設問3

現在、あなたが使っている洗濯用洗剤のタイプをお答えください。(複数回答)

現在使っているタイプ

洗濯用洗剤のタイプについて、「現在使っているタイプ(複数回答)」と「主に使っているタイプ(単一回答)」をそれぞれ質問しました。

「現在使っているタイプ」は、 「液体タイプ」が85%、次に「粉末タイプ」が17%、3番目に「ジェルボール・スティックタイプ」が15%という結果となっていました。
「主に使っているタイプ」についても同様の順位でした。

年代別の使用タイプ

年代ごとに使っているタイプを見ると、「液体タイプ」は40~50代の使用率が高く、「粉末タイプ」は低い年代ほど使用率が高い傾向が見られました。

職業別使用タイプ

職業別に使っているタイプを見ると、「ジェルボール・スティックタイプ」は「公務員/会社員/自営業」がやや高くなっていました。

タイプ別洗濯頻度

主使用の洗濯用洗剤のタイプ別に、洗濯の頻度を比較したところ、粉末タイプ主使用者は「週に7回以上」の割合が、他のタイプよりも低くなっていました。

洗濯用洗剤の購入重視点

設問4

あなたが普段、洗濯用洗剤を購入するときに重視していることをお答えください。

購入重視点

洗濯用洗剤を購入する際に重視していることについて質問しました。
「洗浄力が高い」が44%で最も高く、次が「価格が安い」で39%、3番目が「除菌効果が高い」で33%という結果になりました。

タイプ別購入重視点

主に使っている洗濯用洗剤のタイプ別に、購入重視点を見たところ、「価格が安い」は液体タイプと粉末タイプが高いのに対して、ジェルボール・スティックタイプは低くなっていました。

「除菌効果」と「消臭効果」については、液体タイプとジェルボールタイプが高く、粉末タイプは低い傾向が見られました。

洗濯用洗剤のタイプ別のイメージ

設問5

以下の洗濯用洗剤のタイプについて、あなたのイメージにあてはまるものをすべてお答えください。(各複数回答)

洗濯用洗剤のイメージ

洗濯用洗剤のタイプごとに、どのようなイメージを持っているかについて質問しました。
液体タイプは「使い勝手がいい」(47%)、「洗浄力が高い」(28%)の順で高くなっていました。

粉末タイプは「洗浄力が高い」(32%)、「価格が安い」(29%)という順位、ジェルボール・スティックタイプは「使い勝手がいい」(32%)、「時短になる」(20%)と「洗浄力が高い」(20%)という順位でした。

年代別の粉末タイプのイメージ

粉末タイプのイメージについて年代別で見てみると、「価格が安い」と「時短になる」は低い年代ほど割合が高い傾向が見られました。一方「洗浄力が高い」は、高い年代の方が割合は高くなっていました。

まとめ

現在使っている洗濯用洗剤のタイプについては、先述の販売金額と同様、大半が液体タイプで、粉末タイプとジェルボール・スティックタイプの割合は一定程度という結果でした。

主使用のタイプ別に結果を比較したところ、下記のような特徴が見られました。

  • 液体タイプ主使用者:洗濯頻度が高く、洗浄力と価格の安さに加えて除菌効果などの付加価値を重視する
  • 粉末タイプ主使用者:年代が低く、洗濯頻度も低い。洗浄力と価格の安さを重視する
  • ジェルボール・スティックタイプ主使用者:正社員が高く、価格をあまり重視しない

これらの結果から、粉末タイプの使用者は他タイプの使用者に比べて洗濯の頻度が少ないため 、洗濯用洗剤に対して求めるものが少なく、付加価値よりも価格を重視する人なのではないかと考えられます。

また、ジェルボール・スティックタイプの使用者は、 価格よりも手軽さを重視して洗剤を買っているのかもしれません。

洗濯用洗剤のタイプ別のイメージについては、粉末タイプは「洗浄力が高い」というイメージを多くの人が持っていることが分かりました。

ただし、低い年代についてはそのイメージが弱くなっていました。20~30代は、液体タイプが主流の時代になってから自分で洗濯をするようになったため、粉末タイプを使ったことが無く、特徴などの知識があまり無いのかもしれません。

「価格が安い」イメージを持っている人が多いため、加えて「洗浄力が高い」特徴を認知してもらうことで、粉末タイプを選ぶ若年層が増える可能性があるのではないかと考えられます。

(digmar編集部)

  1. 登場から46年、ついに粉末に追いついた液体洗剤|日本石鹼洗剤工業会 ↩︎