セールスプロモーションは効果測定が重要!リサーチを活用するメリットと調査事例を徹底解説

セールスプロモーションの効果測定リサーチ解説

セールスプロモーション(SP)は、短期的な売上を上げるための活動です。そのため「施策を実施して終わり」でも間違いではない、と考える方も多いのではないでしょうか。

しかし、施策の成果を継続的に上げていくためには効果測定が欠かせません。効果測定を通じてPDCAを回すことで、次回の施策をより消費者に響く内容へと改善できるからです。

本記事では、セールスプロモーションの概要と課題から、効果測定にリサーチ(調査)を活用すべき理由、主要なSP施策における効果測定リサーチの事例、実施のポイントまで、メーカーのプロモーション実務に即して解説します。

セールスプロモーションとは

セールスプロモーションは、商品の認知拡大や購買促進、店頭での販売強化などを目的におこなわれる、販売促進活動です。マーケティング活動の中では短期的売上向上を期待して実施されることが多いです。

セールスプロモーションの施策例

セールスプロモーションは、主に以下の4つの手法に分類されます。

分類施策例
イベントプロモーション展示会、ポップアップストア、体験イベント、デモンストレーション
キャンペーンプロモーションマストバイキャンペーン、割引、クーポン、購入特典、SNS投稿企画
店頭(インストア)プロモーションPOP、試食、サンプル配布、エンド陳列
デジタルプロモーションキャンペーンサイト、LINE公式アカウント(クーポン配信)、SNSインスタントウィン(その場で当たる)キャンペーン、メルマガ会員限定クーポン配信・セール告知

セールスプロモーションの施策にはさまざまな種類があり、目的やターゲットにあわせて適した施策をおこなうことが重要です。

セールスプロモーションの課題

セールスプロモーションをおこなう現場では、以下のような課題を抱えるケースが多く見られます。

限られた予算で成果を上げなければならない

セールスプロモーションは限られた予算の範囲で実施され、その中で売上や配布数等の成果を上げなければいけません。場合によっては、十分な販促予算を確保できないケースも少なくありません。

限られた予算の中で、確実に売上増加につながる施策を企画・実行することが求められ、担当者にとっても大きなプレッシャーとなるでしょう。

施策のアイデアを考えなければならない

消費者の購買意欲を刺激するような、独自性のある施策のアイデアもまた重要になりますが、それを企画・実行することは容易ではありません。

セールスプロモーションの施策内容は競合他社と被ることも多いです。たとえば、店頭での「〇〇円引きクーポン」やサンプル配布は多くのブランドで定期的に実施しており、消費者に見慣れた光景になっていると考えられます。

「毎回同じような施策になってしまう」「反応が年々薄くなっている気がする」といった課題も発生しやすいのが、セールスプロモーションの難点です。消費者の購買意欲を継続的に刺激するアイデアを生み出すことは、担当者にとって常に問われる課題でしょう。

より成果につながる施策のためには「効果測定」が重要

セールスプロモーションの現場では「予算の制限」「アイデアを考える難しさ」という課題を抱えるケースが多いと説明しました。そこで重要になるのが、セールスプロモーションの適切な効果測定です。

効果測定を実施することでPDCAを回せるようになり、「どの施策が売上につながったのか」「なぜ成果が出なかったのか」を客観的なデータに基づいて分析できます。その結果、消費者の購買意欲を刺激する施策のアイデアを得やすくなり、限られた予算の中で最大の成果を上げやすくなります。「やって終わり」ではなく、効果測定をセールスプロモーションに含めることで、施策の精度をより高められるでしょう。

セールスプロモーションの効果測定には調査(リサーチ)が効果的

セールスプロモーションの効果検証には、POSデータ分析(売上の分析)やアクセス解析など、さまざまな方法があります。

その中でも、アンケート調査やインタビュー調査などのリサーチは、売上等のデータだけでは見えてこない情報を収集できるため効果的です。ここでは、セールスプロモーションの効果測定にリサーチが有効な理由を3つ紹介します。

理由①:結果の「要因」を分析できる

リサーチを実施することで「なぜ売れた/売れなかったのか?」という要因を分析できる利点があります。
たとえば、POSデータだけで効果測定を行っても「何が、いつ、いくらで売れたか」といった、数値でのデータしか出てきません。これだけではなぜ売れたのかなどの要因までは特定できないでしょう。

そこでアンケート調査を実施すると、以下のような要因を明らかにできます。

状況明らかにできる要因の例
売れた場合「店頭POPのキャッチコピーに惹かれた」「競合品より安かったから試した」
売れなかった場合「キャンペーンの存在自体を知らなかった」「景品に魅力がなかった」「応募方法が難しそうに見えた」

このように、POSデータ等の数値だけでは見えてこなかった、消費者の行動の裏側にある要因を特定できるのがリサーチの強みです。

理由②:「態度変容(心の動き)」を可視化できる

リサーチによって、消費者の意識や感情の変化である「態度変容」を可視化できる利点があります。

POSデータなどの数値からは「今回は購入しなかったが、ブランドへの好感度が上がり、次の買い物の第一候補になった」という変化までは読み取れません。リサーチを活用することで、プロモーション接触前後の「認知度」「理解度」「購入意向」の変化を数値化できます。

たとえば、新商品体験イベントの実施前後でアンケートをおこなうと「購入意向あり」の割合がイベント前8%→イベント後54%に上昇した、といった変化を数値で捉えることが可能です。「売上(購買)に至るまでのプロセスが正しかったか」という点を指標として評価できるようになることで、施策の中長期的な効果を正しく把握し、より精度の高い施策を実行できるようになります。

理由③:ターゲット層に正しく届いていたかを確認できる

リサーチにより、自社が求めるターゲットに対し、正しく施策が届いていたかを明らかにできます。

たとえば、20代女性向けに企画した体験型イベントで来場者アンケートを実施したところ、実際の来場者の6割が40代以上だったことが判明した、というケースがあるとしましょう。この結果をもとに、次回は告知媒体をターゲット層が好むSNSに切り替えたところ、狙い通りの年代への訴求につながった、といった改善につなげることも可能です。

このように、アンケートで属性(年代・居住地・ライフスタイルなど)を収集することで、「狙い通りの客層に投資できていたか?」を検証できます。もしターゲットとのズレが明らかになれば、次回の開催場所や告知方法、企画内容の最適化につながるでしょう。

効果検証リサーチをする場合としない場合の比較

ここまでの内容を踏まえ、効果検証リサーチをする場合としない場合の違いを、新商品体験イベントでのサンプル配布を例としたプロセスで整理してみました。

効果検証リサーチ有無の比較

リサーチを取り入れることで、イベントや施策の改善に必要な情報が得られ、ROIを継続的に高めていくことができます。一方、リサーチなしでは「なんとなくうまくいった/うまくいかなかった」という感覚的な判断に頼りやすくなり、いつまでも施策の精度が上がりません。

主要なセールスプロモーションにおける効果測定の具体事例

それでは、実際に現場の担当者が直面する代表的なプロモーション施策をベースに、リサーチを活用した効果測定の実務的な検証事例を紹介します。

イベントプロモーションの効果測定(事例:来場者アンケート)

ポップアップストアや体験イベントなど、リアルなタッチポイントを設けるイベントプロモーションでは、来場者アンケートを用いて「体験直後の生の心理」を捉えることが基本となります。

メーカーでの活用事例

【背景】

飲料メーカーのA社は、新しく発売するオーガニックハーブティーの認知拡大とファン獲得を目的に、都内商業施設で「期間限定の試飲・体験ポップアップストア」を展開。来場者の満足度や今後の購買意向、次回施策のヒントを得るため、退場時にタブレットを用いた来場者アンケートを実施した。

また、その後の実際の店頭購買行動を追跡するため、アンケート回答者全員に、周辺の主要スーパー等で利用できる「シリアルナンバー付きのLINE電子クーポン」を配布した。

【主な設問】
  • 本イベントをどこで知りましたか?(認知経路)
  • 提供したハーブティーの味やパッケージはいかがでしたか?(満足度)
  • 商品のこだわり(オーガニック)について理解できましたか?(理解度)
  • 今後、お近くのスーパーやドラッグストアで購入したいと思いますか?(購入意向)
【結果】

「味や世界観に満足」と回答した人が8割を超えた一方、「どこで買えるのかが分かりにくい」「近くのスーパーで見かけない」という店頭での見つけやすさ・配荷に関する不満コメントが多数集まった。

【次回への改善反映】

次回のプロモーションでは、公式LINEやイベント特設サイトに「近隣の取扱店舗検索機能」を実装。同時に、営業部門とデータを共有して主要小売店への配荷交渉(定番棚の確保)を強化した。

配布したLINEクーポンの店舗別回収データを分析したところ、導線と配荷を改善した2回目のイベントでは、イベント経由の店頭購買率(クーポン引換率)が従来の2倍に向上した。(数値は一例です)

イベント時のアンケートを設計する際は、以下の3点を押さえておくことが重要です。

  • 調査目的の明確化:「イベント内容の理解度を把握したいのか」「次回施策の参考にしたいのか」など、目的を事前に絞ることで、優先すべき設問が自然と決まります。
  • 設問数は5〜10問程度に絞る:設問数が多いと回答者の負担になり、離脱や適当な回答が増えます。選択式を中心に構成し、自由記述は最小限に留めましょう。
  • 実施タイミングは体験直後:サンプルの体験直後やイベント参加後など、参加者の記憶が鮮明なうちに回答してもらうことで、精度の高いデータを高い回収率で収集できます。

サンプリングプロモーションの効果測定(事例:フォローアップ調査)

試供品を配布するサンプリング施策では、「配り切って終わり」にせず、実際に商品を使用してもらった一定期間後に追跡調査(フォローアップ調査)を行い、使用感や実際の購買・ブランドスイッチへつながったかを厳密に検証します。

メーカーでの活用事例

【背景】

化粧品メーカーB社は、新商品のスキンケアクリームの発売に伴い、認知拡大と店頭への誘導を目的に、主要都市のヨガスタジオやオフィス街で試供品1万個を配布するサンプリングを実施。試供品に記載したQRコードから、1週間後に使用感や購買意向を追跡するアンケート調査(フォローアップ調査)を展開した。

【主な設問】
  • 自宅での使用感はいかがでしたか?(満足度・受容性)
  • 今後、現品(本商品)を購入したいと思いますか?(購買意向)
  • 購入をためらう理由、または購入に至らない理由は何ですか?(ボトルネックの抽出)
【結果】

「保湿力が高い」という使用感への好意的な声が多数集まった。一方で、単純にサンプルを配布しただけの層において「現品を購入したい(購買意向あり)」と回答したのは34%に留まった。理由として「自分の肌タイプ(乾燥肌・敏感肌など)のどれに合うか、店頭のテスターだけでは判断しにくい」という不安が目立った。

【次回への改善反映】

このボトルネックを解消するため、店頭(インストア)でのプロモーションを強化。「肌タイプ別の選び方」を分かりやすく訴求する専用POPを設置し、売場環境を改善した展開を行った。その結果、店頭での情報補足を組み合わせた後の追跡調査では、ターゲット層の購買意向が59%へと大幅に向上し、連動して発行していたマストバイクーポンの実際の店頭回収率(実際の購買率)も大きく引き上げることに成功した。(数値は一例です)

サンプリングとリサーチの組み合わせについては以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。

関連記事:サンプリングリサーチ(サンプリングプロモーション)の特徴やメリットとは?主な手法や成功ポイント

デジタルプロモーションの効果測定(事例:プレポス調査)

Web広告やSNSを活用したデジタルプロモーション(キャンペーン等)では、施策の「実施前後」に同条件で調査を行う「プレポス調査」が有効です。これにより、キャンペーンが消費者の認知度や購入意向に与えた効果を測定・検証できます。

メーカーでの活用事例

【背景】

飲料メーカーC社は、新商品のエナジードリンクにおいて、ターゲット層への認知拡大と購買喚起を目的に、Web動画広告と連動した「SNSマストバイ(商品購入が応募条件の)キャンペーン」を2週間実施。この施策が消費者の心理や行動にどう影響したかを把握するため、実施前後に同条件のアンケート(プレポス調査)を行った。

【主な設問】
  • 本商品を知っていますか?(認知度)
  • 今回のキャンペーン広告を見ましたか?(広告接触)
  • 本商品を購入したいと思いますか?(購入意向)
【結果】

キャンペーン前後を比較すると、ターゲット層における認知率は18%から47%に大幅に上昇。しかし、POSデータおよび実際の応募数を連動して分析したところ、実際の店頭での購買数(キャンペーン参加数)は想定の3割にとどまっていた。Web動画広告による「認知」の広がりが、店頭で「わざわざ商品を探して買い、応募する」というマストバイキャンペーン特有の行動ハードルを越えさせていないことが浮き彫りになった。

【次回への改善反映】

「認知はされたが店頭での購買・応募の行動ハードルを越えられていない(店頭で他社品に流れている)」という結果を受け、次のフェーズでは店頭での視認性を高め、購入の直接的な動機づけをおこなうため、売場で一目でわかる目立つPOP設置と100円引きクーポンの配布を組み合わせた「インストアプロモーション」を強化。その結果、広告接触からの購買転換率(応募率)が大幅に向上した。(数値は一例です)

なお、デジタルプロモーションの効果測定は、アンケートによる意識の変化を把握するだけでなく、行動面の変化を示す以下のデータと組み合わせるとより効果的な分析ができます。

  • キャンペーンサイトのアクセス解析:流入数や、応募完了率(CVR)の変化
  • SNSのエンゲージメント:いいね・シェアの数や、口コミ(UGC)の発生量
  • POSデータ:実際の購買数や、週次の売上推移

セールスプロモーションの効果測定リサーチを実施する際のポイント

効果測定のためにリサーチを実施する際は、いくつかのポイントを押さえておくことで、施策改善につながるより質の高いデータを収集できます。

事前に、リサーチで検証する施策の目標(KPI)を明確にしておく

調査を実施する前に、そもそも「何をもって施策の成功とするか」というKPIを明確に設定しておくことが重要です。

  • 前回のイベントでの購入意向率40%を、今回は45%に引き上げる
  • 今回のデジタルキャンペーンで、ブランドを初めて知った人の割合(新規認知率)を〇〇%獲得する
  • サンプリング後に、実際に店頭で購入した人の割合(トライアル率)を〇〇%以上にする、など

施策の目的に応じた具体的な数値目標を事前に設定しておくことで、調査票の設計(設問選び)も自然と明確になり、PDCAも精度高く回せるようになります。

適切なタイミングと方法を選択する

調査の目的や施策の内容に応じて、実施するタイミングと方法を適切に選ぶことが重要です。

イベントやポップアップストアであれば、体験直後のブース内でアンケートを実施することで、鮮度の高い回答を収集できます。一方、サンプリング後に実際の継続購買に繋がったかを確認する場合は、配布から一定期間後(1〜2週間後など)に追跡調査をおこなうのが適切です。設計段階でリサーチの実施タイミングについても検討しておきましょう。

回答者のハードルを下げる

効果的な調査を実施するためには、回答率(回収数)を高めることが欠かせません。そのためには、回答者のハードルをできる限り下げる工夫が必要です。

具体的には「今後のイベント改善に活かすため」など、アンケートの目的を明確に提示することで、協力してもらいやすくなります。また、必要に応じて、回答謝礼(デジタルクーポンやノベルティ)などのインセンティブを用意するのも効果的でしょう。

「たくさんデータを集めたい」という気持ちから設問を多く詰め込みがちですが、回答者の負担が大きくなると適当な回答が増え、データの質が低下します。本当に必要な調査項目を厳選しておくことが重要です。

まとめ

セールスプロモーションは、やって終わりではなく、効果測定リサーチを組み合わせることで初めて「次への資産」となります。POSデータが示す「結果の数値(実際の行動)」と、リサーチが示す「消費者の心理(理由・背景)」を掛け合わせることで、限られた予算のなかで最大の成果を生むプロモーション戦略を構築していきましょう。

また、次回施策の改善につなげるには、目的に応じた調査設計が重要です。来場者アンケートや施策のフォローアップ調査などの実施を検討している場合は、調査設計の段階から調査会社に相談するのも有効です。

(digmar編集部)