目的別の施策

新規事業開発(新規事業創出)に関する調査

増加する「新規事業開発」ニーズ

海外からの参入や競合社の攻勢で閉塞的になってきた自社の現事業構造を打開するため、多くの企業が「新規事業」への参入を目論み、自社内に関連部署を立ち上げています。上司から「女性の視点を生かせ」、「自社の強みを生かせ」、「イノベーティブな商品を作れ」、「新しい市場に出ていけるものを作れ」と言われた、というご相談も増えてきました。
しかし既存の市場で大きな成功をおさめ、潤沢な利益を上げている会社ほど、プロジェクトを進める決断に至れないケースが多いと聞きます。実際、新規事業開発は難しく、その失敗例は枚挙にいとまがありません。
弊社では、多分野の企業と行ったプロジェクトの経験を踏まえ、クライアント企業が持っておられる事業コンセプト仮説について、リサーチによって裏づけされる丁寧なアプローチで検証を行います。プロジェクトの立ち上げから商品やサービスの上市に渡る様々なフェーズのご相談をお受けしています。
「新規事業開発」には、その企業のコアコンピタンスや人的資源、また企業文化の共有が不可欠なので、プロジェクトの初期には充分な時間を頂戴しご説明頂くことを、弊社では特に重要視しております。「何がわかったら次に進めるのか」が議論できなければ、良いリサーチができないからです。

新規事業開発向けリサーチの考え方

社会構造の変化や技術革新は、実はイノベーションが自然発生的に起きるチャンスにあふれています。ここに気づけない企業は、既存事業のそもそもの枠組みが変わっていくことにも気づけずにいます。まずは、自社の事業ドメインの周辺に何が起きているのかを調べることが重要です。
今や、商品やサービスに関するユーザーのニーズは一通り充たされているので、消費者ニーズを基本とするマーケット・インのアプローチだけでは、強力な商品やサービスは提供できなくなっています。新規事業開発を企図する企業は、技術革新などのダイナミックな動きやそれに伴う変化の中で競合を見据えながら、自社の持つ強み(技術資産、チャネル等)やそこからの発展領域なども考えつつ、プロダクト・アウト的な発想も持ちつつ事業仮説を立て、参入可否を判断する必要があります。

必要な情報

●自社のヒト、モノ、カネの棚卸
まずは自社の商品・サービスとそれが属するカテゴリーについて整理するところからスタートします。得意分野の周辺で新規事業開発ができるに越したことはないからです。
自社の既存領域に付随して、自社が保有する技術や資産について整理していただくことが「強み」を作り出すために重要となります。

●参入市場の状況把握
参入しようとする市場に知見がない場合は、特有のサプライチェーンや商慣習などの壁に阻まれることがあります。参入市場を決めたら、市場のカギを握っているプレイヤー(供給者、販売者、使用者)から充分に情報を得ることが不可欠です。

●ユーザーの状況
生活環境変化・価値観の変化など使用者の変化は、新規参入者にとって大きなチャンスとなるので、多角的にアプローチし事業の核となる概念を抽出しなくてはなりません。
市場に投入しようとする商品やサービスについて「ブランドの重要性」「商品ライフサイクル」 「補完財」などユーザー実態を把握し、どこにエネルギーを投資すべきかを覚悟しておくことも重要です。
また、実は数多くの小さなイノベーションが使用者の「必要」に導かれ発生している(医療分野でのイノベーション事例が多い理由)のに、ユーザーのニーズは本人たちも意識することができずに埋もれていることがあります。自社で扱える領域でのユーザー・イノベーションの実態は、イノベーティブな商品やサービスを生み出すために大いに参考になります。

リサーチに関する留意点

ユーザーが自発的に語るニーズに対応するものは概ね既に存在するため、既存の価値観から解放された意見が出るようなリサーチ設計や「刺激」を与えて発想させるような工夫が不可欠となります。開発した商品・サービスのパフォーマンスについては、既存事業におけるリサーチと同様に「本当に買われるレベルのものか、どんな代替品と比較されるか」といった視点も重要です。

弊社で取り組んできた課題(例)

新規事業には、発想力と同時に、既存の資産とのシナジーを生かす合理的思考の両方が必要であるため、弊社では以下のようなアプローチをお勧めしています。
①クライアント企業の保有資産・技術の棚卸
②クライアント企業の商品・サービスがおかれる市場・カテゴリーの整理
③市場の変化(環境変化、価値観の変化、人の変化、生活の変化)を把握
④想像される未来(技術革新・画期的な発明・イノベーション)を描出
  ↓
●新規事業のコンセプト開発(仮説構築、自社が取り組む必然性)
●参入市場・カテゴリーの探索(事業仮説の検証・ポジショニング課題)
●ニーズの把握・創出(市場・カテゴリー・ユーザーの背景との因果関係)
●自社が作るべき商品・サービスの仕様
  :

  • 技術シーズから参入市場を検討するワークショップ
  • 市場の各種プレイヤーへのインタビュー実施
  • 事業コンセプトの構築サポート
  • 事業コンセプトの市場性確認
  • コミュニケーションターゲットや方向性の確認

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 など