アフターピル認知者の約7割がOTC化(市販薬化)を支持|アフターピルに関するアンケート

2025年10月、緊急避妊薬(アフターピル)「ノルレボ」が市販薬(OTC)として承認されました。今後、処方箋無しで薬局やドラッグストアで購入できるようになる予定です。1
現在、日本ではアフターピルの入手において医師の診察・処方が必要ですが、このOTC化(市販薬化)によって、より手軽かつ迅速にアフターピルを入手できるようになると考えられています。
今回は、15~69歳の男女624名を対象に、アフターピルの認知度や知識の程度、OTC化に対する意識などについてアンケートを実施しました。
POINT
- アフターピルの言葉の認知度は全体で58%。特に女性や20代が高い。
- アフターピルの言葉を認知している人のうち、効果や使用方法について知っている割合は56%。
- アフターピルのOTC化(市販薬化)については、アフターピルという言葉の認知者のうち、67%が「良いと思う」「やや良いと思う」と回答 。
- OTC化によって感じるメリットは「すぐに入手できる」が71%で最も高い。
- OTC化に対する懸念点は「安易な使用」が57%で最も高い。
【調査概要】
調査手法:インターネットリサーチ
調査対象:15~69歳の男女(インターネットモニター)
調査期間:2025年11月10日~11月11日
有効回収数:624名
調査主体:弊社(株式会社マーケティング・リサーチ・サービス)
目次
アフターピルという言葉を聞いたことがあるか
設問1
アフターピル(緊急避妊薬)という言葉を聞いたことがありますか?

アフターピルという言葉を聞いたことがあるか質問したところ、58%が「知っている」と回答しました。

男女別で見ると、女性は「知っている」割合が62%、男性は54%と、女性の認知度がやや高い結果となりました。

年代別で見ると、アフターピルという言葉の認知度が最も高かったのは20代で、68%が聞いたことがあると回答しました。
一方、50代以上の高齢層の認知度は55%以下と、40代以下と比べてやや低くなっていました。
アフターピルについてどの程度知っているか
設問2
アフターピルについて、あなたはどのくらい知っていますか?

アフターピルを「知っている」と回答した人に対して、どの程度知っているかを質問しました。
「役割や効果、使用方法などを詳しく理解している」と「ある程度の役割や効果、使用方法を知っている」を合わせた、内容を理解している割合は56%でした。
アフターピルについて知っている知識
設問3
アフターピルについて、どのような知識をお持ちですか?(複数回答)

アフターピルについて具体的に知っている知識の内容を質問したところ、「性行為後に服用して妊娠を避ける薬」が60%で最も高くなっていました。2番目が「性行為から一定の期間内に服用する必要がある」で57%、3番目が「避妊に失敗した際の妊娠を防ぐ最後の手段」で50%という回答順位でした。
アフターピルのOTC化(市販薬化)について知っているか
設問4
今後、アフターピルが、医師の処方箋なしで薬局(ドラッグストアなど)でも購入できるようになる予定です。そのことを知っていますか?

今後アフターピルがOTC化(市販薬化)することについて知っているか質問したところ、「知っている」と回答した割合は54%となりました。
アフターピルのOTC化(市販薬化)についてどう思うか
設問5
アフターピルが処方箋なしで、薬局で購入できるようになるということについて、どのような印象をお持ちですか?

アフターピルのOTC化についてどう思うか質問したところ、「とても良いと思う」と「どちらかといえば良いと思う」を合わせた割合は67%でした。

男女別で見ると、「とても良い」~「どちらかといえば良い」の割合は、女性が69%、男性が65%と、どちらも65%以上となりました。
アフターピルOTC化(市販薬化)のメリット
設問6
アフターピルが処方箋なしで、薬局で購入できるようになることのメリットについて、あなたが考えることは何ですか?(複数回答)

アフターピルのOTC化に対してどのようなメリットを感じるか質問したところ、最も割合が高かったのは「いざという時にすぐに薬を入手できる」で71%でした。
次いで「医師の診察や待ち時間のハードルが減る」が47%、3番目が「費用(診察料など)の負担が減る」で43%となりました。
アフターピルOTC化(市販薬化)の懸念点
設問7
アフターピルが処方箋なしで、薬局で購入できるようになることのデメリットや懸念点について、あなたが考えることは何ですか?(複数回答)

メリットと同様に、OTC化に対する懸念点についても質問しました。
回答結果としては「安易な使用につながることへの懸念」が57%で最も高く、次いで「コンドームなど他の避妊法を使用しなくなる懸念」が47%、「正しい使用方法や副作用に関する情報不足の懸念」が44%となりました。
アフターピルOTC化(市販薬化)後、どこで購入したいか
設問8
アフターピルが処方箋無しで購入できるようになった後、もしアフターピルが必要になった場合、あなたはどこで最も購入したいと思いますか。

女性に対して、アフターピルのOTC化後、どこでアフターピルを購入したいか質問したところ、「薬局の実店舗で購入したい」が33%で最も高かったです。
一方、「購入したくない/使用したくない」と回答した割合も33%いました。
アフターピルOTC化(市販薬化)後、購入したい店舗の種類
設問9
アフターピルを実店舗で購入する場合、どこで購入したいと思いますか。(複数回答)

アフターピルのOTC化後、実店舗で購入したいという人に、購入したい店舗の種類を聞いたところ、「ドラッグストア(調剤薬局なし)」が65%、「ドラッグストア(調剤薬局付き)が62%と、日用品の販売のあるドラッグストアでの購入意向が高くなっていました。
アフターピルOTC化(市販薬化)後、どのような店舗で購入したいか
設問10
以下の、アフターピルを実店舗で購入する場合の気持ちについて、それぞれあてはまるものをお答えください。

アフターピルを購入したい店舗の条件について質問したところ、「そう思う」と「ややそう思う」の合計が最も高かったのは「女性の薬剤師のいる店舗で購入したい」で76%でした。
次に高かったのは「自宅近くの店舗」で77%となりました。
まとめ
今回の調査では、アフターピルの言葉の認知度は約6割に達しており、男女別、年代別のいずれの層も半数以上が認知しているという結果になりました。
アフターピルのOTC化(市販薬化)については、認知者の約半数が知っていると回答しており、約7割がOTC化に対して肯定的に捉えていることが分かりました。その理由として、「いざという時にすぐ入手できる」迅速性が期待されていました。しかし同時に、「安易な使用」や「他の避妊法の不使用」といった、乱用の面での懸念を抱く割合も高かったです。
OTC化後のアフターピルの購入場所については、ドラッグストアで購入したい割合が高くなっていました。
また、どのような店舗で購入したいかという質問では「女性薬剤師による対応」を求める割合が高かったです。
以上の結果から、今後のOTC化に向けて、製薬会社や販売店はOTC化の利便性の訴求だけでなく、いかにして消費者の懸念を払拭し、心理的ハードルを下げるかが課題となると言えます。
具体的には、副作用や他の避妊法の重要性などの正しい知識を啓発する情報発信と、女性薬剤師による対応のような、購入時にプライバシーが守られ、安心して相談できる販売体制の構築が重要であると考えられます。
(digmar編集部)